パタゴニアの入り口・チュブ州にあるバルデス半島。
奈良県ほどの広さを持つこの半島は、動物の楽園として知られ、1999年に世界自然遺産に認定されました。
ここで人気の動物は、なんと言っても海棲生物!
ミナミセミクジラ、シャチ、マゼランペンギン、ゾウアザラシ、オタリアが見られます。
筆者は2021年10月の4連休を利用して、ミナミセミクジラを見るべくバルデス半島を訪れましたので、本記事ではその様子をご紹介いたします。
▼バルデス半島と同時に、世界最大のマゼランペンギンのコロニーであるプンタトンボも訪れましたので、その時の様子はこちらの記事をご覧ください。
いつ何が見られる?動物カレンダー

それぞれの動物の見られる時期は、上記カレンダーの黄色部分に相当します。
特に人気なのはミナミセミクジラウォッチングです。
ベストシーズン(9~11月)に訪れたらほぼ確実に見ることができるそうで、陸からも見えるほか、船に乗れば人懐っこい鯨が大量に寄ってきます。
アクセス方法
バルデス半島は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから南西に1300キロほどのところにあります。
車で16時間ほどなのでアルゼンチン人だと車で移動する人もいますが笑、筆者は飛行機を利用しました。
最寄りの空港
バルデス半島へのアクセスの良い空港は、二つあります。
①プエルトマドリン空港(Puerto Madryn)
バルデス半島から最も近い空港です。
しかしながら飛行機の発着数が限られており、毎日飛んでいるわけではありません。
空港近くにあるプエルトマドリンの街はいわゆる海辺のリゾート地で、ここを拠点にすれば効率的にチュブ観光を楽しめると思いますので、ご自身の希望する旅程で飛行機が飛んでいたら、プエルトマドリン空港発着の便を選んで良いと思います。
②トレレウ空港(Trelew)
プエルトマドリンから45分ほど南下した場所にトレレウという街があり、街から車で5分ほどの距離に空港があります。
トレレウ発着の便は数が多いので、プエルトマドリン空港発着の便が予約できなかった場合、トレレウ空港を利用するのが良いです。
筆者は、トレレウ空港発着便を手配しました。
拠点となる街は?
バルデス半島観光の拠点となる街は、3つ候補があります。
①プエルトマドリン(Puerto Madryn)
ここが最もスタンダードです。ホテルやレストラン、ツアー会社など旅行者に必要なものは全て揃っています。
今回筆者はここに泊まっておらず通過しただけなので詳細がお伝えできないのですが、とても素敵な海辺のリゾート地でした!
この街からバルデス半島の入り口までは車で1時間ほどですので、朝ホテルを出て1日半島を堪能して夜ホテルに帰ってくるというスケジュールで無理なく回れると思います。
(ただしバルデス半島は奈良県ほどの広さがあり、入り口から見所に移動するのにも時間を要する点、ご留意ください。)
②プエルトピラミデス(Puerto Piramides)
バルデス半島の中にある唯一の街です。
かなりこじんまりとした街ですが、素朴な海辺の街という印象で、個人的には次回訪れることがあったらぜひここに1泊してみたいと思いました。星が綺麗そうです、、、。
複数日に分けてバルデス半島をじっくり堪能したい方は、毎日プエルトマドリンに戻る手間を省くため、プエルトピラミデスを選択されるのが良いかと思います。
③トレレウ(Trelew)
おそらく多くの方が利用することになるトレレウ空港の近くの街です。
プエルトマドリンが観光に特化した街なのに対し、トレレウはより素朴で温かみのある田舎町という印象を受けました。
▼トレレウとその隣街・ガイマンの見所はこちらの記事で紹介しています
バルデス半島の入り口まで2時間弱ほどかかるというデメリットがありますが、この街の利点はなんと言っても、空港・バルデス半島・プンタトンボの3地点からの距離感がイイ感じという点です。
プンタトンボはおそらく世界で1番ペンギンが楽しめる場所(※個人の感想です)で、バルデス半島を訪れたら絶対にセットで訪れていただきたい観光地です。
▼プンタトンボの紹介はこちら

観光手段
おすすめはレンタカー
心ゆくまで動物たちを眺めるためには、レンタカーが最適だと思います。
また、二人以上いる場合はレンタカー代とガソリン代を合計しても、ツアー代金より安くなりそうです。
空港に主要レンタカー会社のカウンターがあるほか、街中もレンタカー会社を複数見かけました。
しかし、アルゼンチンのレンタカーはほとんどマニュアル車なのと、バルデス半島やプンタトンボは未舗装道路が多いことから、自分で運転することに不安のある方はツアーまたはタクシーチャーターが良いと思われます。
ツアー
プエルトマドリンやトレレウの街からはワンデーツアーが頻発していますので、こちらを利用することも一案です。
大体どこのツアー会社を利用しても内容・料金的にほとんど違いはなさそうです。
筆者はホテル争奪戦に敗れたのみならずレンタカー争奪戦にも敗れていたため、ツアーに参加しました。
ご参考までに、Nievemartourというツアー会社を利用しました。
トレレウ発バルデス半島1日ツアーは7,000円ほど(昼食代含まず)、さらにホエールウォッチング代が別途7,000円ほどでした。
ホエールウォッチングはオプショナルですが、ツアーメンバー全員がつけていました。
朝6:45ピックアップ、夜19:00解散という少々過酷な日程です。
タクシーチャーター
小さいお子さんがいらっしゃる方などは、タクシーチャーターを利用されたという話をよく聞きます。
タクシーの車内にはTrelewのタクシー協会が定めるチャーター料金表が設置されていましたので、希望される方は現地に到着してからタクシー運転手に直接相談するのが良さそうです。
いよいよホエールウォッチング!
説明が長くなりましたが、ここからはホエールウォッチングの様子をご紹介します。
みんなでボートに乗り込み、プエルトピラミデスの街を出発します。

港を出発して数分で、すでに遠くの方に鯨の姿が見えていました。

よくある、遠くから鯨を眺める的なホエールウォッチングとは一線を画しており、とにかく船の周りまで鯨がきます。

ボートの下を潜ってみたり、鯨の吹く水しぶきが顔にかかる距離までやってきて、こちらを見ながら潜ったり顔を出したりして遊んだり、とにかく自由です。

ボートの底から餌でも撒いてるんじゃないかと疑いたくなるくらいたくさんの鯨が寄ってきます。
あまりに近すぎて、目が合いました。(多分)つぶらな瞳をしていました。。。
1時間半ほど鯨鑑賞を楽しんだら、プエルトピラミデスの街に戻ります。
ゾウアザラシとオタリアのコロニー
ホエールウォッチングが終わったら、半島の東岸に移動し、ゾウアザラシとオタリアを鑑賞します。
展望台から海岸を見下ろすと

ゴロゴロいます。

先ほどの鯨のようなダイナミックな生命力は一切感じられません。(失礼)

環境保護のために浜には立ち入れないようになっており、遠く離れた展望台から見るのみでした。仕方ないですが、少し残念。
(写真は望遠レンズを使って撮っています。)
(番外編)オタリアをもっと間近に見たければ、ガラパゴス諸島に行こう!
話が逸れてしまいますが、オタリアを見るのが目的であれば、バルデス半島よりもガラパゴス諸島をお勧めします。
ガラパゴス諸島では、人間とオタリアが完全に共存しています。
海水浴場は人間よりオタリアで賑わっていますし、

道端で無防備にミルクを飲んでいる子もいます。

レストランで着席しようと椅子を引いたら、椅子の上で先客が眠っていたり、

オタリアが譲ってくれるまで通れない道もあります。

全体的に警戒心皆無です。


いつかガラパゴス諸島の記事も書きたいと思っていますが、手が回っていません泣!
おわりに

バルデス半島でのオタリア不足のために最後は話が脱線してしまいましたが、ホエールウォッチングは最高でした。
9〜11月にアルゼンチンにお越しの際は、絶対に訪れてみてください。
▼バルデス半島と一緒に訪れてほしい、プンタトンボ観光についてはこちら
▼観光の拠点となるトレレウと、その隣街ガイマンの観光についてはこちら
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